日向神クライミング(個人山行)


松林

2016年11月4日(金・夜)~6日(日) 
L:松林 
参加者:元廣、川本 
 <アルバム>
<行動記録>
 仙人が飛び交う異境か?ということで、昨年初めて訪れ、ダム湖を囲む断崖絶壁の眺望にすっかりやられてしまいました。前回はショートのフリーを触らせてもらったのですが、今回はマルチピッチにトライと相成りました。

11/5(土)
 弁財天岩東稜、鶏か蝸牛を思わせるような容姿が登攀意欲をそそる。駐車場から歩いてすぐ、一つ目のトンネルの手前を右に下りて、取り付きに向かうが、上がりすぎたようで、サンセットエリアまで行ってしまう。途中で右にトラバースが正解。
 1~3P、元L。1P目、やさしいスラブを10m程登ると、核心と言われる凹角が出てくる。フリーでは10bらしいので、当然A0…。支点は豊富なので、アブミは使わずにすんだ。ブッシュに入る手前でピッチを切る。川はあぶみを使ったが、手間取ったようである。ブッシュを少し歩いて、2P目取り付き。展望が開け、気分は盛り上がってくる。しかしやさしいはずのスラブは朝露で湿ると、つるんつるん。水を含みやすい岩質なのか、苔に覆われた白い部分は特にすべる。支点が少ないので、慎重に登った。
 3P目、ブッシュ歩き。1箇所だけ岩を乗り越し。4~6P、松L。4P目、鶏冠のてっぺんというかピナクルに向けて、リッジ登り、一番美味しいピッチだが、松によると岩が脆く怖かったみたい。右側下部がフリールートのため、落石が許されないのだが、幸いクライマーがいなかったようで一安心。
 ピークに上がってから、5m位ラッペルで下りて、また小岩を登ると、ラッペル支点あり。ここで終了するパーティも多いようだが、目の前にそびえる蹴洞(ケホギ)岩を登らんわけにはいかんでしょう。なるい岩稜をコルに向けてラッペルしたが、なるすぎて危険。リッジを外れると、どちらかにふられて岩に激突ということで、松がカムで支点をとりながら下降。「真下へ下りて、登り返せば良かった」と最後に下りた元も思いました。ここの、ピークからコルの下降にかなり時間がかかった。
 5P目、垂壁でA1あり。ラスト6P目、出だしも甘いが、中間から草付けとガレで脆くて、悪かった。15時前、ようやくピーク着。30分程休憩してから、登路を2Pラッペル。コルから歩きで下山。16:30駐車場着。8時間はかかり過ぎであかんとは思う。後で松と話したが、「急かすのもいや、急かされるのもいや、ビバークもやむなし」メンバーが集うとこうなる。残業好きなわけではないのだが…。夜、キャンプ場では巨大なファミテンが林立するなか、小さなテント内に男3人、むさ苦しい…。そしてカワモンはひたすら食いまくっていた。

11/6(日)
 ハナタテ岩カンテ状スラブ。昼過ぎには下山、出発したいということで、短めルートを選択したが、予想以上にアルパインなルートであった。駐車場から、沢沿いを北上。道端エリアを過ぎて、コンクリート護岸を下り、木橋を渡る。赤テープとフィックスロープに導かれて、取り付きまで上がった。オリジナルは下部2P、苔とブッシュのルートとあったが、よくわからなかった。本ルートはすっきりとしたスラブ登り、支点もしっかりしてそうなので、川本君にリードを任せた。
 1P目、今朝も朝露で湿っており、悪そう。川が慎重にロープを伸ばしてゆく。フォローで登っても、出だし2ピン目までがホールドの甘いスラブでめちゃ怖い。よくリードしたものだと感心する。2P目、強風で寒いが、岩が乾いてきた。グレード的にはやさしいせいか、支点が少なく、ランナウトする。3P目、終了点手前が草付や砂でざれており、悪かった。ここで終了と思っていたのだが、まだ岩場は続いている。
 4P目、支点なし。川に上がってもらうが、まだ岩場があるという。5P目、出だしが悪そうなので、右を巻こうと思うが切れ落ちており、危なそう。岩場を直登となるが、支点なし。川がいけると言うので、いってもらったが、悪かった。おれなら、絶対ノープロではいかん。やっと本当のラストで、少し歩いてピークの岩場で休憩。後続パーティがあったので、ラッペルではなく、ルート右側のルンゼを歩いて下りることにする。ピークからコルまで、フィックスを辿って下りるが、途中から垂壁となるため、後続にはラッペルしてもらった。ルンゼの下りもけっこう悪い。雪彦も拇岳もこんな感じだったが。無事下山。なかなかタフなルートだった。
 さぁ、帰ろうモードだったのだが、川が道端エリアでフリーをやりたいと仰せ。2本リードしてもらったが、10aオンサイトしちゃうわけね…、次代は君に託した。

 今回は天候にも恵まれた。広島から5時間半位。土日でマルチ2本。早いパーティなら3本。キャンプ場が岩場から近い、料金はちょっと高い、温水シャワーあり。買出しの場合、スーパーが遠い、30分位。アプローチは短い。濡れると、すべる岩質なので注意。川本君は、正面岩のくそ長い人工ルートを登りたそうだった。どなたか連れていってやって下さい(私には無理)。フリールートもいっぱいあるし、来年もまた企画しようと思います。
(記:元廣)

<コースタイム>
11/4(金)
21:50 広島(平和大通り) → 22:10 廿日市IC →
11/5(土)
→ 0:35 古賀SA 5:50 → 6:40 広川IC → 7:30 グリーンパル日向神キャンプ場 7:40 → 7:50 奥日向神キャンプ場前駐車場 8:17 → 8:40 弁財天岩東稜取付 → 9:03 登攀開始 → 13:25 鞍部→ 14:57 東稜ピーク 15:30 → 16:25 駐車場 → 買出し → グリーンパル日向神キャンプ場
11/6(日)
グリーンパル日向神キャンプ場 → 7:45 奥日向神キャンプ場前駐車場 8:03 → 8:45 ハナタテ岩カンテ状スラブルート取付 → 9:06 登攀開始 → 10:50 下部ブッシュ帯 → 11:45 ハナタテ岩ピーク 12:15 → 13:02 駐車場 → 道端エリアにてクライミング → 駐車場 15:00 → 20:10 広島