文殊堂~駒鳥小屋   振子沢~ユートピア~宝珠山


大山 神庭

11月17日~18日
横山、徳永、平本、川崎、保見、兼森、島本


<行動記録>
 先週までは秋だったのに、今週に入ってから里でも雪が降るようになり、大山・烏ヶ山は真っ白になった。まだ頭が冬に切り替わらないままに準備しての出発だった。先発組が先に川床への回送を済ませておき、後発組とは文殊堂で14時合流として計画した。しかし途中いろいろあって15時前にずれ込み、小雨のなか出発した。今回は国土地理院の登山道調査に協力するため、GPSで軌跡データを取りながら歩くようにしていたのだが、貸与された高級GPSが上手く動いてくれない。
 文殊谷の積雪は15センチ。天候は回復する予報だったが、雨が降ったりやんだりして、鳥越峠付近では強い風も吹き出した。鳥越峠で日没、以降は暗闇のなかをヘッドライトでルートファインディングとなった。こういう状況で、もっと若手(みな係より年上だが)に任せてみれば良いのだが、係はスイッチが入ってしまい、つい先頭を突っ走ってしまった。保見さんも同じスイッチが入り的確にルートを見つけていた。トラバースから沢筋下降点を見つけ、駒鳥小屋に到着したのは18時だった。
 小屋前のスペースにテント2張を設営し、5テンに8人が詰め込んで夕食を始める。今夜は「生ラム」「赤貝」「キノコ汁」の3品。生ラムと赤貝は皆さん馴染み薄なようで、特に赤貝は「味付けはどうするんだ?」と全くわからないようだった。赤貝は鍋かフライパンでガーっと焼いて、口が開きだしたらすぐ火を止める。そのまま食べるのが旨く、ニュルッとするくらいの火入れ加減が最高だ。赤貝は林業に就いてから覚えたが、「おい、赤貝しようや。」といって赤貝のみひたすら食べるのだ。赤貝2パック、生ラム1.6キロを平らげ、満足して快適な眠りについた。遠くの空に星が一つだけ出ていた。
 翌朝もパラパラとテントを叩く音がする。小粒の雪だが大したことはない。今日は振子沢からユートピア、野田ヶ山経由で川床の予定。棒ラーメンを食べ、テントを撤収して明るくなったころ行動開始。振子沢出合では、谷をコンパスで特定するよう横山さんから指導が入る。谷筋は20センチ程度の雪に覆われ、いたる所で落とし穴に落ちた。先頭は平本・徳永・保見さんの3人が主体で歩いてもらった。知らない山に行っても、精度の高い読図ができるようになって欲しい。
 象ヶ鼻付近では風も強く雪も少し降っていた。計画より遅くなったこともあり、宝珠尾根に計画変更し、ユートピア小屋で休憩をとる。下山にかかると風もなくなり、宝珠尾根をどんどん下っていく。久しぶりに宝珠山まで行くことにした。宝珠山からは中の原スキー場へ降りるのが通常だが、今日は係が前から気になっているコースへ行くことになった。宝珠山から国際スキー場の上部を通り、川床まで直行する尾根である。希望者のみということで募ったら全員が手を挙げた。嬉しかった。そういう訳で読図講習会が始まった。尾根の屈曲点・分岐点ごとにコンパスをセットし、同時に支尾根・ルンゼなどの地形を確認しつつ進む。地形図上のわずかなシワを、実際のスケールで読み取れるようになってもらいたい。地形図には3次元の情報がミリ単位で書き込まれている。これらを正確に把握できるようになるには、実際の地形と照らし合わせながら行動しないと身に付かない。それでも皆さんさすがに山岳会員だけのことはあり、ある程度の読図は出来ていた。また、徳永さんや平本さんは、いつもGPSでログデータを取得して、帰ってから地図上に落として踏査ルートを記録している。僕とは別のアプローチで、それぞれに頑張っているんだなと感心する。最近の若手(くどいが、僕より年上)の活動を見ていると、自分も頑張らなければという気持ちになり、励まされる。
 川床へ下る尾根に入り、右手に阿弥陀川の流れる谷を見ながら下降し、最後はピンポイントで川床へ出た。どうやら使っている人がいるようで、このルートは少し藪だが道になっていた。車を回送する3人以外は道路を歩いて大山寺へ向かう。回送が終わるとちょうど大山寺で合流となった。情報館で会計をして、丸合で係と別れた。
 今回の山行は、初日の暗闇ルートファインディングと、最後の川床への下山が面白かった。島本さんは「おうっ」、兼森さんは「きゃー」と言ってよく転んでいたが、とにかく山行を重ねて歩き慣れてもらいたい。

<コースタイム>
17日15:00文殊堂→15:44文殊越→16:52鳥越峠→18:08駒鳥小屋
18日4:30起床→6:30出発→10:15ユートピア小屋→12:33大山寺分岐→12:44宝珠山→14:35川床

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