富良野岳・ジャイアント尾根


吉岡 好英

 2005年元旦は雲ひとつない快晴で明ける。今日のルートは富良野岳の北西に延びているジャイアント尾根を目指す。
9時、バーデンかみふらのを出て取り付きのある、道路を少し下った三峰山沢の堰堤まで行き沢を渡る。ここで竹本、太尾田、吉岡はシールを付けたスキーを、ボードの松岡はスノーシューを履く。北尾根の取り付きを少し上がると傾斜は緩くなり、樹林帯の中を進む。先行者のトレースがあり、順調に進んで行くことができる。少し上がると木々の間から、三段山の崖尾根の向こうに噴煙を上げている、前十勝岳の威容を見ることができる。その噴煙の切れ間から、十勝岳も真っ白な頂を見せている。登りはじめて2時間もすれば、樹林帯を抜け視界が開けてくる。振り返ると下の方には富良野平野が広がり、左側を見ると旭岳や十勝岳、前方には富良野岳など、360度の大パノラマが開けている。一年前に来た時はガスって何も見えなかったが、今回は本当に恵まれている。初めての松岡、太尾田は「キレーイ」を繰り返していた。高度が上がるにつれ、気温はグングン下がってくるが、幸いにも風はほとんどなく、歩いていると温かくさえ感じる。昨年、滑り始めた地点を通り過ぎ、さらに上へと進んでいく。傾斜はかなりきつくなるが、シールをつけた板でジグザクのトレースを辿る。何度かターンしながら上がると、傾斜は緩くなり西尾根、ジャイアント尾根の合流点に着く。最高到達点1713m、ここは広い台地状になっていて、すぐ先にある北尾根のホコ岩まで続いている。目の前には堂々とした富良野岳がある。ここから見る限り、ホコ岩からは上はアイゼン、ピッケルの世界のようで、スキーが出来そうな場所は見えない。20分くらい遅れて竹本、太尾田が上がってくる。太尾田が急斜面でのキックターンに苦労したらしい。写真を撮るため手袋を外すと冷たい。気温はマイナス20度。行動食をとり、その後、板のシールを外して滑り下りる準備をする。ホコ岩の手前から滑降開始する先行者の二人が見える。われわれはトレースのない場所からベベルイ沢へ滑降開始。滑り始めの傾斜は40度を超えているだろう。パウダースノーを期待していたが、雪は少し重い。そんな雪に足をとられ、見事に雪の中にダイブ。振り返るとボードの松岡も新雪の急斜面に飛び込んできた。つづいて太尾田、竹本も。先行者が北尾根にトラバースしたトレースを辿り、北尾根へと移動する。ここからは潅木の間をすり抜けながらベベルイ沢へと滑り下る。みんな大自然の中の新雪スキー、ボードを楽しんでいるようだ。北尾根の西斜面をトラバース気味に滑り降りていると、やがて今朝歩いたトレースにでる。トレース上を枝に引っ掛けないよう注意しながら滑り降り、登山口を目指す。道路に出るとバーデンから石田さんが出迎えのため、下りてこられた。ありがとうございました。14時40分、行動終了。

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