富士山大滑降?


吉岡 好英

月日:5月27日
<参加者>:宮本博夫 (会員外)田中宏之

以前から富士山の頂上からスキーで滑り降りたいと考えており、体力を考えるといつまでも先延ばしにするわけにはならない。雪の状態を考えると6月上旬までだ。この前のGWに宮本君と雪倉岳に行ったとき、今年こそは実施しようと5月27日と決める。JAC山スキー部会も同じ日に富士山で合宿をするので、広島からの参加3人が行く車に同乗させていただく。26日4時頃、広島を出発。富士スバルライン5合目駐車場には15時頃到着。JACの3人は車で佐藤小屋へ向かうので、車から荷物を下ろして、夕食の弁当を食べながら宮本君の来るのを待つ。駐車場隅にテントを張る用意をしていると、佐藤小屋に入った新山さんから「佐藤小屋前にテントを張れるようお願いしました」と電話が入る。それではと荷物を積んで佐藤小屋へ向かう。小屋前にテントを設営し、飲める二人は高山病?にならない程度の酒盛りを始める。
27日は4時起床。天気は雲一つない空模様だ。6合5勺くらいまでは雪がないので登山靴で登る予定であったが、軽量化を考えると初めから兼用靴を履いて上がることにする。JACのメンバー12名に遅れること10分、6時10分に出発。ほどなく追いついいたので、先に行かせて貰う。登山道には雪はなく、富士山特有の砂利道を歩いていると、なぜか左足すねに痛みを感じてきた。登山道に積雪がある辺りからアイゼンを装着する。まだ先は長いのにと左足をかばいながら歩いていると7合目辺りでこむら返りの兆しがでてきた。漢方を飲んでその場をしのいだが、8合目辺りでは両足に、こむら返りの兆しが。スピードを落とし歩くが治まらないので、再度、漢方薬を飲み、さらにスピードを落とす。二人を頂上に行かせて引き返そうかと思ったが、我慢しながらゆっくりと登っていると、やがて治まってきたようだ。たまにガスがかかるが空は真っ青で雲一つなく、下方には山中湖が見える。頂上からは滑る姿は見えず、板を担いで下ってくる登山者がいる。{何で?}と思いながら頂上へ向かう。鳥居は半分くらい雪に埋もれており、最後の鳥居を過ぎると頂上へ出た。噴火口もよく見え、剣ヶ峰からお鉢へと滑り降りるスキーヤーが見える。板を担いで下っていた気持ちがよく分かった。9合目以上はアイスバーンだった。しばらくJACのメンバーが上がってくるのを待つが見えないので、しばらくノンビリした後、滑降準備にかかる。板を履き、斜度は30度くらいだろうか広大な斜面にでてみると、エッジが立たない。ここで転ぶと猛スピードで遙か下まで落ちることになる。雄山の山崎カールで転んだときの状況を思い出すとターンをためらう。しかたなく、しばらくは横滑りのまま下っていく。たぶん100mくらい下った辺りから慎重にターンをするが、滑っているのは我々だけのようだ。9合目辺りから少しは滑りやすくなってくる。大沢へと移動しなければならないので、8合目小屋付近で板を脱いで、大沢へのルートを探すが崖で下れるところはない。しばらく登山道を、板を持ったまま下り7合3勺小屋裏で、雪が繋がっているところを見つける。大沢を9人くらいが滑り降りてくるのが見える。我々も大沢へ滑り降りると、彼らはJACのメンバーだった。6合5勺辺りで板を脱いで、板をザックに付けて佐藤小屋へと返る。後から聞いた話だが、JACの一人は頂上で噴火口へ板を流し、また一人はアイスバーンで転倒して、300mくらい滑落したようだ。幸いにも怪我はなかったようだ。佐藤小屋で藤沢からの宮本君と別れ、今夜の宿、食事もない、風呂もない「河口湖YH」へ向かう。YHからは富士山がキレイに見えていた。帰路も先月開通したばかりの新東名自動車道から新名神自動車道へ入るが、工事渋滞にかかり広島到着は予想の2時間遅れとなる。今回は頂上からスキーを履いて降りたが、スキーをした気にならないのはなぜだろうか?次回、富士山に行く機会があれば、富士の宮口から上がり、剣ヶ峰からお鉢へ滑降をしたいものだ。

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