容谷峡・沢登り


元廣

7月30日(日) (係)元廣
松林

<行動記録>
当初、つむぎ峡で沢泊まりを計画していたが、参加メンバーが2名となったため、日帰りに変更した。ここのところきつめの沢が続いたので、易しめ短めで行ったことのない沢、容谷峡を提案したら、松林君は3年前に遡行済だが行ってもよいと言う。というわけで、あまり下調べせずに行ったら、こんなひどい目に会おうとは…。
盛夏の快晴、予想最高気温は34度、沢登りにはうってつけの日である。水量は少なく、ぬるい、水質はまあまあ。入渓後、しばらくは倒木やごみがうるさいが、高速道路の橋下を越えると、すっきりしてくる。川幅は狭く、ミニゴルジュがずっと続き、薄暗いが、雰囲気は悪くない。小淵をへっつたり、泳いだりしていると、癒される。激流も渡渉もない、この位の沢が自分にはぴったりと感じる。水中に猪の下顎骨を見つけ、眺めていたら、松が手袋に蛭を発見。尺取虫かと思ったが、雪彦で見たのと一緒だった。

 

1時間半程で、三浦本ではF5とされる釜がでてくる。四方がゴルジュに囲まれ、なかなか立派、かっこよい。一見、右奥の滝は手がかりがなさそうで手強そう。松リードでロープを出す。滝下にスタンスあり、そこまで泳いでいき、ビレイ。残置ハーケンを補強して、越えてゆく。見た目より易しかった。

すぐにF6大滝・20m、右側が中段までは行けそうだが、上部は支点がとれそうにない。無理ということで、右岸を高巻く。以降、川幅が広がり、一転して明るい沢となる。F8・10m位、松が3年前はロープを出さずに登ったような気がすると言う。しかしスタンスが外傾しており、今日は水量が少ないとはいえ、ロープなしはありえない。松リードで左側から取付き、ハーケンを1本打ち、上がる。もう一段上がれば、後は階段状でいけそうだが、その一歩が難しそうだ。2本目のハーケンがなかなか決まらない。20分程奮闘していたが、あきらめてクライムダウン。右岸を巻いた。教訓、今回は係のハーケンを使用したが、リードが決まっている場合は、使い慣れた自分のハーケンを使うほうがよい。ロープを出す滝はこれで終わり。そこそこの滝が続くがどれも快適に登れる。なめも出てきて、美しい。


水量が減ってきた二俣で一本取り、右俣の涸沢をつめる。暑い、虫がまとわりつき、不快、しんどい。1時間弱で登山道に転がり出る。靴を履き替え、下山開始。容谷山頂を通過して、すぐに赤テープを見失う。左(西)側に下りたようなので、右にトラバースして、登山道に戻る。赤テープやペンキに従って、尾根を忠実にトレースしていくが、道が悪い、というか登山道と呼べるようなものではない。ほとんど藪漕ぎだ。松がGPSで確認するが、間違っていない、地形図の徒歩道をなぞっていると言う。何度か滑りこけながら、最後は沢に下り、泥と汗にまみれ、駐車地点に帰り着いた。松によると、3年前は豚舎の右(東)側に出たが、もう少しましだったとのこと。帰路、吉村さん邸に立ち寄り、夏合宿の装備点検を実施した。
近来まれにみる不快な山行で、二度と来るかこんな沢と思っていたが、よくよく考えると、悪くはない、いやよい沢だろう。問題は詰めと下山である。他人様の記録を読むと(行く前に読めという話だが…)、最後の二俣は水流がある左俣を詰めたほうが藪漕ぎが少なそう。小五郎山の縦走路に出て、浦石峡の木目の滝に下っている。車2台か自転車があれば、より短縮できる。あるいは、F6とF8をトップロープで登って、ピストン下降でもよいかも。とはいえ、合宿前のよいトレーニングにはなった。不快さを耐え忍ぶ山行もたまには必要である。もう一回やれと言われたら、遠慮するけど…。(元廣記)

<コースタイム>
8:15 入渓→10:00 F6・大滝→11:15 F8→12:30 二俣→13:25 縦走路→13:55 容谷山頂→15:20 駐車地点