奥飛騨 高原川 沢上谷遡行


宮本 博夫

日程:2015年8月15日
参加者:坂口、宮本
←大滝上の滑床帯

<行動記録>
 皆様ご無沙汰しております。時期外れの夏の山行報告で申し訳ありません。今シーズンは家の事情で中々出かけられない、また夏場を中心に五十肩を患い、実際に身体の自由が利かないという事態となり、山行がかなり限られました。今回報告の沢上谷(そうれたに)は新穂高の下方に位置しており、皆様にもなじみの地域なので紹介させていただきます。北アルプス山行で何らかの事由で時間が空いたら立ち寄っていただいてもよい所だと思います。
 前日14日、坂口さんといつもの中央線相模湖駅で合流して松本側より安房峠トンネルを通って奥飛騨に入る。松本で田舎道を通ったせいか途中スーパーが見つからず、奥飛騨まで来てどうにかAコープを見つけ、かろうじて食料、ビールを入手する。18時前なのに店を出た途端に閉店してしまった。過去、店が見つからず難儀した経験もあるので早めに買うように心掛けてはいるのだが、あぶね~。入谷地(鼠餅)に駐車して晩飯にして酒がそこそこ回った頃就寝。

 翌朝15日、出発の準備をしているとなんと最重要装備である沢靴が見当たらない!用意はした記憶だがザックに入れ忘れたらしい。かれこれ30年以上も細く長く沢登りをやってきたが、沢靴を忘れたのは初めてだ。家内が亡くなり生活が忙しいので支度がいい加減だったのだが、歳取って物忘れが多くなったと思う。仕方なくスリングを運動靴に巻き付けて滑り止めとした。こんな気休め、通常の沢登りなら通用しないのだが、今回は左腕がほとんど使えずに登攀的なことは全くできないため、ほとんど沢歩きだけの極易しいルートを選んでいたので、何とかなるでしょうと思い出発。
 歩き出してみるとスリング巻き靴の調子は思ったよりマシで、時々スリングがずれてくるのを直せばどうにか通用する。ただし、スリップが許されないような一部場面は坂口さんにロープを出してもらい助けてもらった。沢上谷はほとんどが滑床の構成で、本谷だけでなく支流にも立ち寄って特徴のある滝を見物するのが定番コースとなっている。遡行開始後まず支流に寄り道し、見事な糸引き状滑滝「五郎七郎滝」、赤い壁が美しい直瀑「岩洞滝」を見物。その後本流遡行に戻り間もなく「蓑谷大滝」という30m程の素晴らしい滑滝が現れ、これを大きく巻くとアスファルト舗装のような美しい滑床滑滝帯になり、緩~い滑滝のあと10m程の滑滝、この辺りはスケールが大きく見ごたえある。その後は樹林の中を平らな滑床が延々と続くようになる。特にポイントのないままやがて終了点の小さな橋に着く。ここまでに我々の他に親子連れ含む数パーティと遭遇。易しく美しいので真夏の余興にと多くの人が訪れるとみられる。終了点を過ぎても滑床はまだまだ続いているので、この先も行ってみる。辺りは伐採され明るい山里の雰囲気となる。終了点からかなり進んだが相変わらず滑床は続き、そろそろ飽きてきたころ草が沢にかぶってきたので終了にして引き返す。先の橋まで戻り、林道を下って終了。
 下山後、入谷地直下に更に見事な滑床帯があるとわかり、ひとしきり写真撮ったあと帰途に着く。風呂は奥飛騨温泉郷にある荒神の湯に入るが、脱衣コーナーしかない野趣溢れる露天風呂だった。帰宅は深夜になったので、坂口さんは宮本宅に泊まってもらい、翌日茨城に帰られた。