大山(弥山北尾根) (係)三谷


三谷

月日:1月27日(土)~28日(日)
参加者:安藤、横山、吉村、平本、島本、川本

土曜日朝、大町駅に集合。2台で大山に向かう。道路の状態が悪いため幹線経由とした。すでに吉田辺りで雪がちらつき始めた。ここ数日のどか雪と低温で、山だけではなく、里も凍てつく世界になっていた。庄原辺りから雪上ラリーのような道路状況。南面の三ノ沢側から槍尾根を登る予定にしていたが、条件が悪いので大山寺側に転身することにした。溝口マルゴーで買い出しをし、大山寺に向かう。大山道路では車が上がらず、数台が停車していた。一部にロードヒーティーングが施してあるが、圧雪が磨かれた状態になっているため、チェーンを履くか、四駆でないと走行不可である。
南光河原の駐車場は満車だったので、引き返して伯耆町の運動公園に移動する。トイレ・水道が何とか使えるので本日の宿泊地とした。東屋横の広場にテントを張らせてもらった。
早朝、南光河原の駐車場に移動。弥山夏道に常行谷を挟んで平行して伸びる北尾根を登ることにする。過去数回登ったことがある。雪崩の危険を回避しつつ、新雪のラッセル訓練を想定した。
雪が深い上に真っ暗で見通しがきかず、米子西工業高校の小屋を通り過ぎて、元谷方向を川沿いに進んでしまう。30分のアルバイトとなった。
引き返して目的の尾根を探し当てる。まず、急勾配の尾根の取り付きにて弱層テストを行う。スコップとスノーソーを使って雪壁を約30センチ角に切り出し、雪面にインパクトを与えた。結果、手首、肘では雪の層のズレは生じず、腕の力数回でズレが生じた。約1メートルの新雪の層と古い粗目雪の層の間に滑り面がある。1度の降雪で1メートル近く積もったものと思われる。白い斜面を気をつけながら、忠実に尾根を辿ることにして登山を継続する。
急な雪壁の先にちょっとした岩の層があって、ワカン登攀となった。出発から1時間費やして僧兵コースの東屋に集結する。
以降も厳しいラッセル(ワカン歩行で膝くらい)が続く。いつまで経っても元谷が上方向に見えていて、標高が上がらない。早朝は天気が安定していたが、時折雪が降り、風も強くなってきた。

北尾根を進む
北尾根を進む

行者コースの合流点より、傾斜が増し、雪の表面がクラストして踏み込む足が重くなる。後方は体が冷えるので早めの交代を促すが、川本くんが一人奮闘する。
結局、取りつきから夏道合流地点まで5時間近くを要した。夏道には多くの登山者とバックカントリースキーヤーが登っていた。手軽に冬山感覚をと、六合目まで登ってくる登山客もいる。この時間に登ってくる登山者は遅い方である。
六合目より上部はガスに覆われているが、下方向はガスの切れ間から島根半島が見渡せる。六合目避難小屋でアイゼンを装着。残り30分で登れるところまで登ることにする。
七合目あたりから状況が急変する。猛烈な吹雪の吹き下ろしに、正対するのが困難になる。
そんな悪条件の中、神庭くんに出会う。地元山岳会と警察の方とともにパトロール中だそうだ。登山者の動向を見計らって、早々に下山を開始したそうだ。われわれもブリザードに跳ね返されて八合目で(引き返し時間を迎えたので)行動を打ち切ることにした。時折ホワイトアウトになる中、下山を開始した。アルプスのそれとは違って今日の大山のは耐えられるレベル。気温もさほど下がっていないようだった。

ガスの切れ間より
ガスの切れ間より

にわか計画ながら、冬大山の荒々しさ、ブナ林と山麓景観の美しさ、いろいろな要素が含まれて気持ちの良い山行だった。
(記:三谷)

<コースタイム>
1/28 南光河原(6:00)→北尾根取付(6:40)→行者登山道合流地点(9:50)→夏道登山道合流地点(10:50)
→6合目(11:10)→8合目・引き返し(11:58)→6合目(12:20)→南光河原(13:30)
(記:川本)