大山(剣谷) (係)三谷


三鈷峰より

月日:10月20日(土)~21日(日)
参加者:神庭(前夜のみ)

大山の剣谷をトレースした。
土曜日朝、大山寺に向けて出発する。今週は天気が少し崩れたが、今日は時折青空も見えて回復に向かっている。
大山寺周辺の紅葉が始まっており、ブナの黄色が鮮やかである。稜線にはガスがかかっていたが、良い天気である。
アウトドアショップ、温泉、カフェなどができて以来、賑わっている。自然館のコンテンツもリニューアルされた。開山1300年を迎えた影響もあるが、地域の魅力を発信する場が設けられたことが大きいと感じる。豪円山ののろし台で、燃えるような大山の夕暮れを見て、下山キャンプ場へ移動する。
明日遭難者の捜索活動をする神庭くんと合流する。最近増えた自然災害に備えようと、最新のエマージェンシーグッズを持ってきた。キャンプストーブと呼ばれるバーナー兼発電機。しかも燃料は木である。たき火で発生した熱を電気に変換して、発電するとともに、ファンをまわして燃焼効率を上げるという優れもの。トーチを点け、電話の充電もできる。もちろん調理も可能である。
一言に秋と言っても、ここは標高800mの大山山麓。冷え込みが厳しく、たき火の暖かさはありがたい。小さなたき火を囲みながら、森や木の話をして過ごした。
気持ちの良い秋晴れの朝を迎える。朝早くから多くの登山客が訪れている。そのほとんどは夏山登山道へ向かっている。神庭くんは捜索に出発。目撃情報があるものの、その他の手掛かりはないそうだ。家族の元に帰られることを願う。
大神山神社を経由して下宝珠越へ。登山口には上級者向けコースとしての注意書きが設置されている。かつては初心者コースだったが、上宝珠越周辺の荒廃が進んでいる。
下宝珠越から踏み跡にしたがい剣谷へ向かって下降する。落石に備えてヘルメットを装着。150mくらい下降すると、水の流れている河原に到達する。ここを宝珠越とよぶらしく、古い標識が残っていた。現在は廃道になっている。

宝珠越
宝珠越
剣谷
剣谷

ここから剣谷の遡行になる。すぐに水は枯れて、しばらく開けた河原を歩く。不明瞭だが踏み跡のようなトレースが残っている。しかし、大きな岩を乗り越えないといけないので、すたすたと歩くわけにはいかない。
やがて、三鈷峰の北西稜(阿弥陀尾根)の崩落面が見えてくる。堆積物が谷を埋め尽くしている。過去に登ったルンゼのように見えるが、もはやもとの地形がわからない。今回は北西稜の取り付き点を見いだせなかった。ただし、尾根はつながっているように見えるので、下部から取り付くことは可能である。

<三鈷峰の岩峰群>

そして尾根が隔てる二俣の出合いとなる。右俣は中宝珠越、左俣はユートピアへと向かう。
左俣の奥はどん詰まりのように見える。谷がクランク状に屈曲していて様子がわかりにくい。GPSで目的の谷をトレースしていることを確認する。
宝珠尾根から登山者の声が聞こえる。灌木などのヤブが濃くなり、体にツタが絡まる。気候の変化により、植生に変化をもたらしているのかもしれない。上から見ると、ヤブと格闘する姿は滑稽に見えるだろう。気持ちが萎えそう。
過去、阿弥陀川から剣谷を遡行したことがある。阿弥陀滝を登って剣谷をトレースした。先輩方とともに、たき火を囲んだときのことが懐かしい。
着実に稜線が近づいており、三鈷峰の登山者が見え始める。あともう少し。そして、ケルンの辺りで登山道へと合流する。

三鈷峰西壁の紅葉
三鈷峰西壁の紅葉

ユートピアで一息して三鈷峰へ向かう。ここも崩落が進んでいて、危険である。
のんびり景色を楽しんで下山を開始。朝はかなり冷え込んだが、日中は良く晴れ渡って汗ばむほどである。
元谷側が崩落したヤセ尾根を過ぎた所が大きなギャップとなっている。初心者は控えた方が良いだろう。
紅葉したクロモジの黄色がキレイだ。ブナの紅葉は終盤を迎えている。三鈷峰のわずかな植生が鮮やかに紅葉して、岩壁とのコントラストも美しい。
秋の大山を堪能できて、久しぶりにすがすがしい気持ちになった。

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