個人山行:冬枯れの阿佐山山塊で久しぶりに長~い縦走(大暮~毛無山~中の丸見山~阿佐山~西ドーゲン~三ツ石山~天狗石山~高杉山~小マキ山~井屋山~大暮)


亀井且博

日時:2020年11月18日(水)晴れ
メンバー:亀井(単独)

紅葉は完全に終わっているけど、足元のマムシを気にしなくて良い季節になった。一年ぶりに阿佐山山塊の縦走に出かけた。いつものように深山を拠点にするのでなくて、以前から温めていた阿佐山山塊を歩きつくそう?との思いで、今回は大暮から毛無山に取り付き阿佐山、天狗石山を越えて高杉山から井屋山を経て出発地点に帰ってくる周回縦走を計画した。長い縦走コースなので嫌になったら途中で下りてもいいや!と思いながら出発したが、何とか最後まで予定していたルートを歩いた。歩行距離:24.4Km

阿佐山と毛無山(西ドーゲン頂上直下の展望台から)

<行動記録>

5時に自宅を出て6時過ぎに駐車場に到着。まだ少し暗いので準備を済ませて少し明るくなるまで待つ。朝早いとクマに出会う可能性が高いので鈴を鳴らしながら、ラジオのボリュームも上げて歩き始める。いつもの毛無山の登山口は通り過ごして県道を少し引き返す。15分ほど引き返して古い林道に入り林道から少し薮気味の沢沿いの山道に入る。この道は以前は大暮から移原へ尾根を越えて行く道だったのかも知れない。ところどころに石畳みの残骸が残っていた。

毛無山(大暮集落から)

沢沿いの道は一旦林道に出るが直ぐに毛無山への尾根道の登山道に入る。広く草刈りされた遊歩道なような道で、フカフカの紅葉の落葉の絨毯の上をカサカサと音立てながら快適に登る。紅葉は完全に終わっている。途中電波中継塔の横を通り過ぎて傾斜が緩やかな快適な道を登ると広い毛無山の頂上に着いた。頂上はブナ林の中で眺望はほとんどないが、大きなブナの木もあり気持ちの良い場所である。

毛無山頂上の大きなブナ林

写真を撮って阿佐山に向けて縦走する。横吹峠を過ぎ二十丁峠の手前の1,079m三角点ピークに少し薮を漕いで寄り道してみた。広く平坦な頂上でおまけに薮の中で、三角点を探したけど見つけられなかった。縦走路に合流して二十丁峠に着く。二十丁峠の標識にはクマが遊んだような爪痕があった。阿佐山の登りにはあちこちのナラの木の上に沢山のクマ棚があり、クマのテリトリーに勝手に入り込んでウロウロしているのを改めて認識する。

クマ棚

阿佐山の頂上は笹の中で眺望は全くなく、一等三角点の石標がひっそりと建っている。すぐ横の電波中継塔の建物には休憩用の椅子が造られているが、眺望がないので休む気にもなれず早々に縦走を続ける。

阿佐山頂上

阿佐山は双耳峰で三角点のピークは阿佐山、東ドーゲン、南峰、瑞穂ハイランドスキー場のトップであるピークは北峰、同形山、西ドーゲンなどと呼ばれている。西ドーゲンに向けて一旦下り、登り返す。西ドーゲン頂上のすぐ下にスキー場が造った展望台があり、ここからは北面以外の展望が開けて眺めが良い。展望台で少し展望を楽しむが、天気は良いものの遠くは霞んでいて見えることもある瀬戸内海や四国の山並みはおろか恐羅漢なども良く見えない。

西ドーゲン頂上直下の展望台と阿佐山

西ドーゲン頂上には瑞穂ハイランドスキー場の4基のリフト終点がある。スキー場は倒産して今年は営業の目途が立っていない状態だ。広島近辺では最大級のスキー場で設備も雪質も良く九州からのスキーヤーも多いが、今後どうなるのだろうか?スキー場のリフト、レストラン、人工降雪機などの設備がどことなく寂しそうである。スキー場からレストラン近くのブロック小屋の横を通って再度縦走路に入り三ツ石山に向かう。阿佐山から天狗石山の間は距離はあるもののアップダウンの少ない縦走路で快適である。途中で廃業したアサヒテングストンスキー場の最上部のリフト終点の鉄塔を木の間に見ながら緩やかな下りと登りをいくつか繰り返して三ツ石山に着いた。ここも全く眺望は無い。写真だけ撮って縦走を続ける。キナイ原のススキの中を通り過ぎて舗装道路に出る。以前はここキナイ原には自衛隊の通信施設やNTTドコモの通信施設があったが、今はどちらも廃止されている。道路から縦走路に入り少し登ると展望台が設置された天狗石山に着く。少し早いがここで昼食にした。

天狗石山頂上

天狗石山頂上直下から始まる佐々木新道から深山経由で大暮に帰れるが、時間もまだまだ十分あるし、体力的にも気力もまだ大丈夫なので予定通り高杉山を越えて小マキ山、井屋山も越えて大暮に帰ることにする。ゆっくりと昼食を済ませ、高杉山に向かう。頂上直下にも沢山のクマ棚があった。高杉山分岐に着くと来尾峠から登ってくる道が突然に広く草刈りされて遊歩道並みになり高杉山に向かっている。この状況は南登山口の林道に出るまで続いていた。帰って後で調べてみたら11月1日にサイオトトレランが行われてそのコースになっていた。だからきれいに整備されていたんだ!

広く草刈りされて遊歩道のような縦走路

途中で初めて乳母御前神社に寄り道してお参りした後、急登を喘ぐと高杉山に着いた。この登りが今日これまでで一番きつい登りかも知れない。高杉山の頂上のすぐ下はユートピアサイオトスキー場になっていて、リフト終点がある。リフト索道には既に椅子が取り付けられて、雪が降ればいつでもオッケーの状態になっていた。高杉山から急傾斜を下り小マキ山に向かう。小マキ山にもスキーリフトが上がっている。小休憩して最後のピークの井屋山に向かう。道は同様に整備されて快適である。井屋山とのコルから才乙集落に下る道がきれいに草刈りされていた。昨年のこの時期に通った時には才乙への道は薮道だったが、今年はきれいになっていた。井屋山は頂上からの眺望は無く、頂上標識も無く、道の真ん中に三角点があるだけの地味な頂上で、見過ごして通り過ぎそうである。井屋山から最後の南登山口への下りはフカフカの落葉の絨毯をカサカサと音立てながら気持ち良く下った。林道に出てからは林道をポレポレと大暮集落に下って駐車場に帰着した。

南登山口

11月にしては異常なぐらいの暖かい日で、ふかふかの落葉の絨毯の道をカサカサと音をたてながら気持ち良く歩いた。結構長い縦走であったが、比較的アップダウンの少ない縦走路で、ブナ、ナラの自然林が多い気持ちの良い縦走路であった。非常に充実した一日を過ごして帰路に着いた。

<コースタイム>

大暮駐車場6:40~6:55登山口~7:25林道7:30~8:15毛無山8:20~8:35横吹峠~8:55中の丸見山~9:02二十丁峠~9:36阿佐山9:40~10:00西ドーゲン10:10~11:00三ツ石山~11:12キナイ原~11:30天狗石山(昼食)12:00~12:50高杉山12:55~13:10小マキ山13:20~13:45井屋山~14:05南登山口~15:07大暮駐車場

<コース図>

コメントを残す