丹沢と奥多摩の沢 (個人山行)


宮本 博夫

<丹沢水無川 セドノ沢右俣遡行>
日程:2009年11月28日
参加者:菅野・宮本
←写真:逆川にて

 今シーズンの沢登りは日帰りの山行が多く、中でも宮本にとって最も身近な山;丹沢には4回も行った。先日行ったセドノ沢右俣の感想と、同じ東京近郊ながら丹沢とはだいぶ渓相の異なる奥多摩の逆川(さかさがわ)の感想を記したい。

 丹沢は首都圏における沢登りのメッカで、日帰りの短い沢が遡行対象のものだけでも100本近くあるだろう。宮本も少年の頃初めて行った沢はやはり丹沢。この山地はいくつかの地域に分けられているが、小田急線の駅からも近い表丹沢はアプローチ・下山も良いために多くの登山者が押しかけ、シーズン中は滝登りの順番待ち必須となる。今回のセドノ沢もそんなところだが、さすがに11月末では遡行者は少ない(他に本谷に行くソロ遡行者あり)。
 林道終点より最初は水無川本谷を進む。水無川というが水量豊富な立派な本流。セドノ沢は水無川のF1を過ぎると細い流れで流入する。セドノ沢の滝を2~3登ると更に右俣・左俣に分かれ、右俣に入る。左俣は3年前の同時期に遡行し、その日は寒波到来で寒くてどうしようもなかったが、今日は比較的暖かである。右俣は貧弱な流れですぐに終わりそうだが、10m前後の滝が次々に登場し、ロープを使ったり使わなかったりで進む。まもなくクライマックスの35m大滝が登場。結構立った部分もあるが、ベタ打ちのハーケンを頼りに登る。上部では巻き道に逃れる通常ルートと落口にトラバースするルートに分かれる。トラバースルートはかぶり気味でいかにもおっかないが、シュリンゲが垂れている。しかし先の様子はわからず不安がある。ダメ元で取りついてみると行けてしまい、落口に達する。このルートを登ると大滝の上の滝も登ることが出来、フルコースで充実した滝登攀になる。まとまった滝はこれで終わり。時間も15時を過ぎて充実してしまい下山がやばい。尾根に上がるルートがある二俣はもっと上部のようだが、時間がないので思い切って右の沢筋を登るとすぐに下山する登山道に出てしまい、大ラッキー。途中で暗くなったが無事下山した。今シーズンの締めくくりとしては上出来の内容だった。
 丹沢の渓相は滝が多いがあまり浸食はされていなく、釜や淵などはほとんどない。滝は半ゲレンデ化しており、豊富な残置支点を頼りに結構難しい滝も登らせてくれる滝登りが中心の沢が多い。

 奥多摩も首都圏における沢登りのメッカであるが、宮本にとっては結構遠く、今まで行ったことはなかったが、今年9月19日に初めて訪れた。行き先は川苔谷・逆川(名前の付け方が逆じゃない?)。メンバーは菅野・宮本。ここは一言でいえば初心者向けの易しい沢であった。渓相は丹沢とは異なっており、よく浸食されて小滝ながら釜が発達している。今までの経験だと発達した釜と小滝はゴルジュの底にあることが多く、小滝といえども容易に越せずに2~3mの滝を越すのに大高巻きを強いられることも少なくない。しかし逆川の場合は釜と小滝部分だけ岩床を残して側壁があまりない。滝の周りは楽~に歩けるところばかり。あまりに楽に巻けるので苦労して滝を登る意味を見出すのが難しいところもある。積極的に水に入らないと何しに来たのかわからなくなるので、わざわざ釜を泳いで滝に取りついて登る。上流部では高さのある滝も出てきて滝登りを楽しんだ。
 その後会社の写真仲間と他の遊歩道のある沢に来たが、渓相は似た感じで釜の発達の割りには側壁があまりなかった。奥多摩の山は鍾乳洞が点在していて、逆川出合い付近にも昔大学探検部員が行方不明になった洞穴湖があるとのこと。チャートとか石灰岩質のようだが、鍾乳洞の多い岩質がこの様な渓相に関係しているのかな?と思った。

コメントを残す