三嶺


吉村

月日:2017年2月10日(金)~12日(日) (係)吉村
参加者:川本
<行動記録>
三嶺には無雪期に2度行ったことがあるが、冬山では初めてだ。2/10からの強い冬型で四国の山間部でも積雪が予想される。当初の予定の名頃コースは三嶺ヒュッテ直下のトラバースで雪崩の可能性があるため、菅生コースをとることにした。ここでの初めての冬山登山道に未知なるものを感じ、ワクワクする。
10日 三谷君は腰痛のためキャンセルとなり、川本君と二人で夜8時半に出発した。高速道の夜間割引を使うため、瀬戸中央道の与島PAに車中泊した。だだ広い駐車場に数台の車のみ止まっていたので、安心して眠っていたら夜中に「ドンツク、ドンツク」と先程まではいなかった隣の車からカーステレオの音が響いてくる。寝れたもんじゃないが、怒鳴りこむと喧嘩になりそうなので、我車を後方に移動させた。
11日 大雪の予報の中、祖谷トンネルへの登り坂に差し掛かると雪道となり、スリップに注意しながら、菅生の登山口の駐車場に着く。となりの車は広島ナンバーで、車中にヘルメットも見える。なんか、知り合いに出会いそうな予感がする。
登山道は最初から10cmの雪道である。何人かが踏んだトレースを辿っていくと観光用モノレール(冬期休業)が出てきて、線路沿いに登っていく。1300mあたりからモノレールをはずれ針葉樹林帯となる。更に登っていくとトレースは登りと水平とに分かれ、よく踏まれている登りを選択する。程なくして7名の中高年男女グループが降りてきた。「雪が多いので引き返す、このコースは登山道ではないがこのまま尾根を行っても登山道に合流する」とGPS画面を見せてくれた。初めての登山コースなので、地図上の登山道である先程の分岐を水平に辿ることにする。この水平の方は広島の男女2人パーティーが行っているとの情報も頂いた。
水平のトレースを行くとまた更に登りとトラバースに分岐している。植林された針葉樹林帯で視界も効かない状況で、ここは地図と地形を読んで判断するしかない。この登りは1578mのJPから伸びている尾根に取り付くのに適当であり、トラバースの方は地図上の道であるが、それはS字状に湾曲しており踏査が難渋しそうであると判断した。
急坂を登っていくと、上から女性の広島弁の声が下りてくる。やあやあ、カオルさんじゃ。自分らは雪山を堪能したからもう帰るとのこと。まだ昼前で一緒に登ろうとの私の提案は、下る決意に負けたようだ。
ここからノートレースの尾根をラッセルしていく。1578mのJPにも着き、赤テープからも登山道に乗っていることが分かってニンマリ。積雪と視界不良で登山道が無くなる冬山では、ルートファインディング能力が無ければ、登れないのだ。
標高が上がるにつれて積雪量も増えてスピードも上がらない。1791mのピークから一旦下がり、登り返すと避難小屋のある台地状に着くはず。ガスで視界は50mほどで見通せない。雪も降っている。何度も落とし穴にはまる。膝上のラッセルはなかなか進まない。前方に鹿避けのネットが見えてきたので小屋は近い。小屋の赤い屋根が見えた時は、安堵感が一気に広がった。
三嶺ヒッュテに着いても入口は雪に埋まっている。2丁のスコップで除雪しやっと中に入る。
今日、同じコースに取り付いたのは12名だが、小屋までたどり着いたのは我々2名のみだ。
ルーファイ、体力、気力の成果にグー!
12日 朝起きて外に出ても相変わらず、降雪とガスにより100mくらいの視界しかない。昨日の登山の達成感と、なーんも見えん頂上へのピークハントに気持ちが向かないので、下山することにする。
小屋を出ると、昨日の我々のトレースは完全に埋まっている。雪はフワフワの新雪であり、スコップを使ってラッセルをしてみた。それなりに効果があった。尾根伝いの下山であるが1791m手前のコルに下る地点で、樹木が前を遮るようになり、これは右の支尾根に入ったと思い、左へトラバースすると見覚えのあるコルに出た。
そこでネットに良く出ておられる三嶺に528回登っている70歳位の単独の男性に出会う。朝3時に登山口を出発して登ってきたとのこと。分かれて直ぐに30歳代の単独男性が登ってきた。昨日は朝10時半に遅れて歩き始め更に道迷いにより、モノレールそばにテントを張ってビバークしたとのこと。
駐車場に帰り着き、天狗塚への縦走は出来なかったが、あの雪の中三嶺ヒッュテまで登れたことに満足感に浸ることが出来た。
車で帰広する途中で香川県を通るので、讃岐うどんを食べようと話していると善通寺市付近で「速い 安い 旨い 150円うどん」の看板が目に入ったので、その店に突入。私はぶっかけうどん小230円を、川本君はぶっかけうどん特大380円を注文すると即座に出てきた。洗面器のような器で出てきた特大うどんに目を丸くする川本君であった。