クライミング技術講習会(山陰遠征)


横山正雄

<月日>7月20日(日)~21日(月)
<参加者>吉村、宮重(直)、神庭、武田、岡本家族、赤井家族
 このシリーズの立案は、新人の養成をど真ん中に据えて企画されたものであるが、今年度になってからの新人の参加が今ひとつ。「てーか」殆ど無く、毎度まいど中堅クラ技にすり替わってしまうのはなぜであろうか?
 該当する新人さんに声をかけてみるのだが、それぞれ忙しいようで・・・・なかなか大変なようで。(やっぱし無理なのかなー・・・)てなわけで、今回も例外なく中堅クラ技になったのです。
 さて、今回の暇堅(ごめん!)中堅クライマーの先発3名(横山、吉村、宮重)は、早朝5:35大町を出発する。日曜日とあって渋滞もなく予定よりずいぶん早く、8:30には松江の宍道大橋を渡り終えることができた。
今回のクラ技1日目は、島根半島の海岸エリアの各ルートに挑戦してみよう。まずは、手結の浦漁港で神庭さんと合流し、勢いをつけて(人数を増やして)総力を結集し攻めてみることにしよう。・・・あ、いやいやタッチしてみよう。
9:30岩場の基部に難なく到達すると、そこはフナ虫のハーレムであった。この壁は南西側に面しており、この時間帯は日陰となっている。
我々人間が灼熱の太陽を避けるように、どうやらフナ虫君も同じことを考えるようであり、壁の基部はフナグソのじゅうたんが敷いてある。
さて、ここは殆んど前傾壁である。早速チーム最年少である神庭クラがトライするのだ。
ルートはタコマン(10a)。ダイナミックな身のこなしでリードする神庭クラが頼もしい。大きく口をあけ、それを確保する係りは首が痛い。
 トップロープにしてもらい、係りも攀じてみる。あんのじょう核心部で墜落し、大きく振り子の錘になってしまった。
なんとかタコツボ状の岩穴に半身納めて腕を休める係りなのであるが、体が奥にハマっている分だけ風の通りが悪く、猛烈な蒸しパン状態となっている。
さらに噴き出す汗は脂汗のようにぬめり、チョークバッグ内も遂には練り歯磨化し、腕のパンプを癒す間もなく、再びトライする係りなのである。
しかし、この劣悪な環境下では、さすがのフナ虫君も近寄れまいて。
係りは暫く孤軍奮闘し、両腕のグリコーゲンを殆んど使い切り、やっとのことで終了ピンにタッチし「テ、テ、テンショーン。」終了です。
グリコ状態で取りつき点に降ろしてもらったものの、直ぐには復活しないフリクラなのであった。(注釈)フリクラ≒振り子クライマーという。
さて、宮重パーティーも続けてタコマンをリードし、同じくホローする吉村さんも振り子おじさんと化している。
係りの傷も癒え確保可能な状態に回復したところを見計らい、神庭クラは次の課題「ハックルベリー10b」へ行くという。きわどく攀登り、最後のハンガーで降りてくる。振り子の係りも挑戦するが、右手の甲を拷問のように虐めただけで終了ッス。
11:30ともなると、さすがの南西壁も日影がなくなり遂に場所替えの決断をした。漁港まで帰ると、そこには旧クラの(あ、失礼!)岡本さんとその次男くんが待っていた。
事情を説明し、片句の岩場へ移動することとなり、目的地で昼食とする。神庭スイカを御馳走になり全員で海岸に降りてみるが、しかし、そこは灼熱の岸壁と化しており、日影といえば西壁側しか存在しない状況である。しかたなくその西壁に近寄ってみるが、壁が脆くクライミングには適さないようである。したがって残置ピンもない。
やむなく海中クライミングに切り替える。
16:00現地を引き上げ、松江市内で夕げの買い出しを行い、コテージ岡本へと移動する。
 20:30 後発の赤井家族と武田さんが到着し、全員で宴が始まった。
 翌日は、6:00起床。第2日目の目的地である大山の船上山に向かう。
9:30茶園原の駐車場に集合したのは、宮重、吉村、武田、赤井家族、岡本家族の8名である。  
船上神社参拝ツアーに行く岡本家族&赤井家族以外は、御醍醐天皇の籠立場の先で左に別れ、屏風岩の基部へと横道へと分け入った。
 前記表現どおり、横道は草藪に覆われており、頻繁には人の往来が無いようである。とは言うものの赤壁の下の一本樹までたどり着くと、直下の日陰でハイカー男女3人が休憩しているのであるが、我々はさらに進み、樹林帯へと日影を求めて逃げ込んだ。しばらく休憩後、神庭&吉村の2名は灼熱状態の赤壁へと鎌を振り振り、懸かんなく草刈り行軍をする。(たのもしーい・・・。)
一方、係りはさらに横道を進み、練習岩にザックをデポし、日影のルート探索に出る。
千丈のぞきの各ルートがなんとか陽を除けられそうであり報告に帰ると、神庭クラが陽にあてられたようで、鎌を放り投げ肩で息をして休んでいる。どうやら、赤壁は取り付けそうにないようである。
ここで、誰とはなしに「この岩場は夏のクライミングには適さないんじゃないの!」との罵声があがる。
係りは過去(わかとり国体)のトレーニングで、岡本クラと真夏のほぼ毎週、カメイ鬼監督の命令で、朝一番に20kgボッカ(大山寺~ユートピア迄の60分)をこなし、10時過ぎからこの岩場で終日クライミングをやった経験があり、その時は涼しいとは思わなかったものの、別に苦しくは感じなかったので、てっきり日影だったのだろうと勘違いし、今再びこの時季のここを選んだのです。
(すいませーん・・・・。)
千丈のぞきの側面は、おおむね日陰であるが正面壁の取りつき点以外は既に陽があたっている。とは言っても岩の温度はそれ程上がっておらず、クライミングはなんとか可能な状態だ。全員で2本ほどを攀っているところへ、赤井&岡本家族が参拝ツアーから帰ってきた。14:00練習岩のデポ地で遅い昼食を摂り、全員で下山する。茶園原の登山口で記念写真を撮り今回の例会を修了とした。
途中、甲川の手前でアシーズの胡田さんと偶然出会い一気に広島への帰路につく。
岡本さん、奥さん、お世話になりました。ありがとうございました。

コメントを残す