雪彦山


元廣

日時:5月29日(金)夜~31日(日)
参加者:平本、徳永、桑田、松林

当初、天気予報は、日曜が降水確率80%、土曜に1本だけでも登れればよいと考えていた。メンバー構成も若干不安を感じさせないでもない。というか、雪彦が初めての自分が係だということが、最も不安である。

29日(金)
夜、大町駅に集合。車2台に分乗して出発。賀野神社で、水を汲んでいこうとしたが、全ての水道が止められている。確認したところ、各人1~2Lの水を持ってきていたので、明日の行動水は確保できるだろうということで、東屋まで上がる。ヒルはいないようだ。東屋横に、テントを張って、係以外は即就寝。一人寂しくビールを飲む。

30日(土) 晴れ後曇り、午後時々小雨、夕方から雨
7:30起床予定にしていたが、ふりそそぐ日光でテント内は暑くなり、皆早々に起きだす。手早く朝食をすませ、テント撤収。入山前に、ヒル対策をほどこす。今回、市販ヒル避剤を共同装備として購入予定だったが、「効くけど、高価」との声が相次ぎ、個人装備として「飽和食塩水」を作成、お持ちいただくことになった。
本日は、雪彦で一番人気の「地蔵岳東稜」ルートを登攀する。わかりにくいと言われるアプローチを、雪彦2回目の松林さんにトップをまかせるが、速い、速すぎる。「しんどいけど、もしかしてオレ体調悪いのか」と心配になってくるほどである。20分程で取り付きに到着して、まあまあかな~とか言っている。「アルパインクライマーかっ」と心の中でつっこむ。すでに先行男女ペアが準備中。我々が今日2番目みたいである。パーティ分けは、徳永~桑田~元廣(徳・元が半分づつリードすることにした)、平本~松林(つるべ)。30分程待って、徳リードで登攀開始。2ピッチは、段々状になったやさしいフェースであるが、ピンが少ない。岩質は(後で調べたら)流紋岩とやらで、花崗岩に比べると、濡れたら、やらしそうである。1P目、伸ばしすぎたようで、ロープ50mいっぱいでピッチを切っていた。ハーケン1本がビレイ支点は、あまり気持ちがよいものではない。カムや岩角で支点を作るなりして、なるべく複数の支点で流動分散したほうが安全。後続は、松リード。やはり伸ばしすぎたようで、ロープが足りなくなり、支点まで少しクライムダウンしていた。2P目、木のはえた大テラスに至る。右手にすべり台と呼ばれる一枚岩が見える。3P目、核心と言われるチムニーがあるはずだが、ビレイヤーからは見えない。フォローでいくと、支点は豊富というか、ありすぎ。チムニーは中に入り込むとはまりそう。外のフェースに出たほうが登りやすい。4P目、コンテで尾根歩き。ピーカンで気温が上がってきて暑い。小休止の後、元にリード交代。5P目は馬の背と呼ばれる階段状のリッジ。支点が少ないので、岩角や木を使う。暑いので、木陰でビレイをと、ロープを伸ばしたら、流れが悪くなり、コールも笛も通じない。ロープの張り(クイクイ)で、意思疎通することになり、こうゆうときは日頃三倉や天応で一緒に登ってることが意味を持ってくる。最終6P目、先行パーティは取り付きから右にトラバースして、フェースを直上するルートを選択したようだ。フォローの女性が苦労しながら、登っていった。難しそうということで、無理せずノーマルルートを登る。ルンゼを直上、立木で確保して、右のフェースにトラバース。ここで一歩だけ少し悪いので、緊張した。12:30、地蔵岳山頂着、登攀終了。曇ってきたが、風が通ると気持ちよい。3~4級で、そんなに悪いところもないし、我々レベルにはほどよく楽しめるルートやねと話した。桑も、4月からの練習の甲斐あって、満足そうだ。しばらくすると、松パーティが上がってきた。飲み食いしている間もなく、後続パーティがどんどん上がってきて、狭い山頂は満員となる。記念撮影後、下山。一般道を下るが、けっこう悪かった。14時、東屋まで戻る。まだ早いので、車に荷物をデポして、明日登る三峰や、地蔵岳の他ルートの取り付きを確認に行く予定だったが、小雨が降り出す。あきらめて、賀野神社まで下る。畏れ多い気もするが、神社境内にテントを張らせていただくことにする。車で買出しに行くという、徳と桑に、水汲みをお願いする。降ったり、止んだりの小雨の中、暑くも寒くもなく、虫も少ないし、よい季節やと感じながら小昼寝、あー幸せ。買出しから戻ってきた、徳永シェフの今回のお題は、購入した鉄鍋を使う料理ということですき焼き。さすが、ベースキャンプ型山行、つきることのない食材と酒というわけで、何を話したのやら、例によって記憶なし。

31日(日) 曇り後晴れ
4時起床。昨夜はそこそこ雨が降ったようだ。早く取り付いても、濡れてるやろうというわけで、ゆっくりめで準備する。朝食は、石焼ビビンバ。鉄鍋にてんこ盛りとなった様は見ているだけでお腹いっぱいになった。ところで大騒ぎして対策したヒルはどこにいるのか。前回ヒル体験した3名は、この境内でもうようよしていたのだと言うが、ほんまかいな。トイレも予想に反してきれいだった。一泊の御礼と今日の安全を祈願して、神社を後にする。
今日は「三峰東稜」ルートを登攀する。濃霧で展望がないが、とりあえず取り付きまで行ってみる。途中の前傾壁は支点だらけ。新しいフリー用ハンガーと、古びたハーケンやリングボルトがそこかしこに打たれている。取り付きにいたると、意外に乾いている。前回もそうだったという話なので、乾きやすい岩質なのかもしれない。松林さんがヒルを発見してくれた。子供の頃、川遊びで足にはりついたヒルはナメクジのようにのっぺりとしていたが、ここのヒルは細く尺取虫のようだった。一匹だけだが、見れて満足。
パーティ分けは、昨日と同じく、平~松(つるべ)、L元~F徳・桑とした。1P目:垂壁からハングを超える。松リードで登攀開始、フリーでは無理なので、すぐにアブミを出すが、なかなか上がらない。無駄に腕力だけ浪費しているようなので、いろいろ助言して、結局1時間かけて、終了点に。やっぱ、アブミも練習しとかんとあかんね。2P目:クラック沿いを左上。カムを使うと安心。核心は上部のかぶり気味なおう角の乗り越し。フリーでもいけそうな気はしたが、落ちたくないしということで、右手でヌンチャクをつかんで(A0)超えた。クライミング的には、今回最も面白いピッチだった。平に、どうやって超えたの?と聞いたら、フリーにこだわると、時間かかるし、すぐにアブミ使いましたとのこと。なかなか的確な判断である。3P目:ブッシュに覆われた階段状の岩を登ると終了点。3Pだが、4時間もかかってしまった。
小休止後、三峰山頂に上がる。眼前に不行岳がそびえたつ。岩が脆く、落石で事故も多いそうだが、圧倒的な迫力である。荒涼というか凄惨というか、月夜に老いた狼が遠吠えしそうな雰囲気。日本人好みの独特な暗さがあるのではなかろうか。惚れたぜ。次回は、三峰・友人登路~不行岳・弓状クラック~大天井岳、1DAY継続、11クライマーにリードしてもらわねば…なぞと妄想にふけっている間に、松がラッペルで下りてゆく。20mと40mの2回ラッペル。終えてから、地蔵岳東稜取り付きまでの下りが悪かった。頼りなさそうなフィックスに体重をかけざるをえない場面が何度かあった。14時東屋着、終了。

終わってみれば、(珍しく)予定通り2本のルートが登れた。土曜夜に雨は降ったが、岩場はベストコンディションに近い状態だったこともラッキーだった。4月から、少ない回数ではあったが、天応三倉で登りこんだことで、メンバー間の意思疎通もとれたのではと思う。このメンバーで事故怪我なく、登攀を楽しめたことが、次の山行に繋がっていけばよいなと思います。

<コースタイム>
5/29 22:10 大町駅
5/30 2:20 東屋 8:30→8:50 地蔵岳東稜・取り付き 9:25→12:30 地蔵岳山頂 13:00→14:05 東屋→賀野神社
5/31 賀野神社 6:20→6:35 東屋→7:10 三峰東稜・取り付き 7:45→11:40 終了点→三峰山頂 12:40→13:55 東屋 14:25→18:40 大町駅

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