臥龍山


広島山岳会

臥龍山(1,223 m)

臥龍山北西面のブナ林では、梅雨の恵みを充分に含み、幹も葉もみずみずしく輝いています。巨木の幹に手を当てるとひんやりと水の流れが伝わってくる様です。臥龍山は広島県内では比婆山と並び、最も広範囲にブナの自然林が残っている所です。千町原から登る登山道沿いには、樹幹の目通り幹囲3m以上は有るブナやトチノキなどが何本も立ち並び、それぞれが競い合うように枝を広げては空を青葉で覆い隠しています。青葉の下では緑色の光が一面に降り注ぎ、木の葉を擦り抜けてきた陽光は、樹幹や低木の葉の上に円い斑をそよがせています。原始の風景そのものの森の中を登って行くと、あちこちから野鳥の鳴き声が聞こえて来ます。ヤマゲラ、コガラ等はどこでも見られます。遠くからはアオバズクの鳴き声やアカゲラのドラミング、日本三鳴鳥のウグイスとオオルリの美声。県内では希にしかいないアカショウビンもこのブナの森には居ます。巨木の下に身を寄せてそれぞれの鳴き声を聞いてみましょう。運が良ければ「キョロロ」と鳴くアカショウビンの声が聞こえてくるかもしれません。臥龍山(1,223m)へは、国道191号線を益田方面に走り、八幡191スキー場の前を八幡原へ右折します。約300m進み右の町道後ガ原下林線に入って、道なりに進み二つ目の橋のところが千町原の登山口です。橋の手前から臥龍山に向かって草原の中を轍が伸びていますから、この辺りに車を置いて、轍をたどつて歩きます。すぐに山道に入りますが登山道沿いには赤テープで印が有りますからそれに沿って登ります。頂上の近くまで林道が上がっているために、この道を登る人が少なくなったので、所々笹が被っていますが、樹林帯に入るにしたがって歩き易くなります。沢を渡り倒木を越えて、しばらく登ると巨木が現れはじめます。見渡す限り原始の森で、足元は水分を多く含んだ腐葉土の道なのでハイキングシューズは必須です。登山口から1時間30分ぐらいで林道の終点と合流します。ここには雪霊水と呼ばれる涌き水があり、夏でも冷たい水が流れています。ここから10分で山頂に到着です。山頂には八畳岩が有り岩の上からは樹林ごしに展望出来ますが、山頂から南西に少し歩いた所からは深入山や聖湖が遠望出来ます。下山は林道を野鳥を採しながら下りましょう。
岡本 良治


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