クラ技 雪上訓練(大山)


三谷

日時:2月27日(金)~3月1日(日) (係)三谷
参加者:吉村(光)、平本、保見、兼森、神庭(夜のみ)

<行動記録>
日曜日は雨の予報が出ていたので、金曜日の夜に出発して、土曜日をメインの雪上訓練に充てた。
金曜日夜、吉村号に5人が乗り込み、向原線を北に向かう。少し出発が遅れたが、交通量が少ないため時間通りに庄原の仮眠地に到着することができた。
駐車場で仮眠を取り、早朝大山に向かう。仁王茶屋の無料駐車場から歩いて、元谷に入る。大山寺の駐車場はスキー客で満車である。3月上旬とは言え積雪は豊富である。前回元谷に入った時より雪が増えているようだ。
天気は良いが、昨夜積雪があったので、雪の状態が心配である。雪崩の危険を回避するため、大神山神社から林道には上がらず、堰堤の手前から上がった。
今回の雪上訓練は当初、実践編と言うことで、八合尾根を2パーティーに分けて登攀するつもりだった。しかし、七合尾根の取り付きで弱層テストを行うと、10cmくらいのところにはっきりとした弱層があり、その層は手首の力で簡単に滑った。吹きだまりでは層の厚さが20cmくらいはある。これから沢に入って急な雪壁を登攀することになるので、八合尾根は中止とした。
徐々にガスが晴れていき、北壁の全容が見えてくる。先月間違えた尾根の取り付きも今日ははっきりと見える。これを間違えるとは…。
気持ちを切り替えて、七合尾根の取り付きの傾斜の強い斜面で訓練することにした。
最初に、基本姿勢と雪上歩行の確認。今更だがピッケルバンドなどを確認する。リストバンドは、普段使っていないせいか、ピッケルのシャフトを持つには短いようだ。岩稜帯ではピッケルと手の両方を使うため、リストバンドにはいつも手首を通すように促した。ピッケル、アイゼンは雪山では必携であるが、まだ積極的に登下降で使用するケースは少ないといえる。
次に登下降の練習。今回は、短い斜面だが積極的にバイルとピッケルを使って登ってもらうことにした。登攀でなくても、急傾斜の雪壁ではピッケルとバイルを利用することにより、体勢が安定する。また、氷化した雪面や草付きなどにピックを打ち込んで登る方法も学んでもらった。今回の練習が、翌週の東尾根で活かされることになる。
雪壁を登ってしばらく尾根上を進む。途中に痩せ尾根があったので、トラバースでの足の置き方を確認してもらう。この技術も以降の大山山行で役立ったと思う。
このまま稜線に抜けそうな勢いだったが、樹林帯を抜けたところで引き返すことにする。
今度は雪壁をバックステップで下る。下りの場合は、手足の動きを登りの逆にすれば良いだけである。しかし、下りは各々の癖が出やすい。恐怖心や苦手意識があると、体が斜面にくっついてしまい、重心が足からずれて滑りやすくなる。また足下が見えにくくなる。慣れるしかない。これができないと、積雪期の北アルプスの雪稜は難しい。
次に、スノーバーとデッドマンを利用して流動分散でアンカーを取ってもらう。2点は互いに上下離して取ることが注意する点である。その他、ピッケルやスノーバーを横にして埋めた場合、強い支持力を発揮する。
そのアンカーを利用して、スタンディング・アックス・ビレーのシステムを作る。係は、ロープを付けて数メートル登り、ランニングビレーを取ったところでスリップしてみせる。いつもはビレー器具を使っているので、制動確保をかけるのは難しい。そもそも、しっかりとしたアンカーなら、ボディービレーを使うだろう。しかし、いずれも墜落の衝撃を吸収するには、ランニングビレーをとる必要がある。
次に、保見さんのリクエストで、脆弱なセルフビレーとアンカーに荷重を加えたときのシステムの強度について確認してもらった。セカンドのスリップには耐えられそうだが、トップの確保には向かない。衝撃が加わると、足下が崩れてシステムが崩壊する場合がある。
ここまでで、お昼になったので、休憩とする。穏やかな天気で、夏道はもとより、弥山尾根は大渋滞で、別山中央稜も終了点近くに人が見える。スキー、ボーダーも次々と目の前を滑っていく。
午後からは、ブッシュや土嚢袋でアンカーを作った場合の強度を確認する。細い枝も複数束ねれば、それなりの強度を確保できる。土嚢袋のアンカーやスノーボラードも有効だった。しかしスーパーの袋は、タイオフしたところで切れてしまうので、アンカーには向かない。
最後、ヒマラヤンコンテの形を確認したところで、七合尾根での訓練は撤収する。
下山前に、元谷小屋周辺で雪壁を登る練習をしたいということで、雪壁を探しながら下りる。堰堤下の河原に3mくらいの垂直の雪壁があったので、ダブルアックスで登る。しかし、ぐさぐさの柔らかい雪なので、たいした練習にはならなかった。春山では、こういった雪質の悪いところを登ることも多い。
下山後、マルゴーで買い出しをし、本日の宿に向かう。もともと、神庭邸で雪崩の机上講習の予定だったが、風邪をひいたあとの病み上がりとのことで中止になった。実家への引越祝いを渡すため、ホテル岸本に寄ってもらう。神庭くんを交えて、ささやかな打ち上げを行い、楽しい時を過ごした。新居のお披露目はまた次回と言うことで。
翌朝、雨がぽつぽつと降る中、広島に帰る。

<コースタイム>
7:38 仁王茶屋(-2℃)→9:00 大神山神社→9:30 元谷→10:10 7合尾根取り付き→15:30 訓練終了→15:41 大神山神社→16:15 仁王茶屋

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