クライミング技術講習会(窓ヶ山)


松林

月日:5月8日(日)
参加者:横山、吉村、三谷、川本、桑田
会員外1名(前原・前夜のみ)
<行動記録>
クラ技なのでクラ技っぽいことをせねば。しかし新人の参加は川本くんのみで、リード・フォローはいつもやっているし...という理由で、クライミング中のレスキューをすることになった。
キレットに移動し、東側の岩場でまずはリードのレスキュー(ビレイヤーの自己脱出)を始める。ビレイ器の固定→スリングに荷重移動→脱出→メインロープに荷重移動という手順である。ビレイ器の下でロープを折り返してミュールノットで固定。メインロープにスリングでフリクションヒッチを掛けて支点に連結。ビレイ器を外してスリングに荷重を移したら、メインロープを直接支点に固定し直し、フリクションヒッチを緩めて荷重移動。としていると、「スリングにテンションが掛かるとフリクションヒッチが緩められない。最後のメインロープの固定も、これではリードの人を降ろせないので、スリングでの支点への連結、メインロープの支点への固定も、ムンター&ミュールでせよ。」と教わる。
次はセカンドのレスキュー。セカンドを少し降ろしたいときや、下まで降ろしたいときのビレイ器の操作方法だ。ビレイ時にロープを少し出す、というのはよくあるのだが、ほとんどはテンションが掛かっていない時で、テンションが掛かっている状態での操作は経験がない。少しだけロープを出したいときに手早くやる方法で、ビレイ器に挟んだカラビナをグリグリ回したり、スリングでメインロープにフリクションヒッチでバックアップを取ってビレイ器を持ち上げたり、という方法が取れるが、長く出したいときはこの方法では駄目だ。セカンド役の桑田さんに体を張ってもらい、いろいろな方法を試した結果、ビレイ器を持ち上げるには、①スリングをハーネスに連結して体重を掛ける。足で踏むのは不適。②降ろす際はムンターヒッチで制動を掛ける。というのが良い方法だというこが分かった。また、ビレイ器の持ち上げ方によっては、ビレイ器が横向きになってロープが挟まって動かなくなることがあるので注意が必要。口の広いATCガイドとダブルロープ等の径の細いロープは相性が悪い。
続いて、逆にセカンドを上に引き上げる方法。引き上げは“クレバスレスキュー”の練習で何度かやっていたが、最初からテンションがかかった状態ではやっていなかった。そこで、「まずはビレイ器に掛かるメインロープの荷重を逃がすにはどうすれば良いのか?」という問題が出て、これは最初の自己脱出と同じように、スリングでムンター&ミュールを作ることで解決した。あとは滑車を入れた1/3システムを作って引っ張り上げた。
その次は、桑田さんが「インラインフィギュアエイトノットを教わったが、使う機会がない」と嘆いていたので、横山さんが南側のフィックスロープの掛かった斜面でセカンド役。桑田さんが上からビレイ。というシチュエーションを用意してくれた。ビレイ支点からセカンドが見えないときや、岩でロープが擦れ易いとき等に、ビレイヤーがロープを延ばして出て行ってビレイする方法だ。ビレイヤーは支点からムンターヒッチなどでロープを延ばして丁度良いところでセルフビレイ。その少し前方にインライン~の結びを作ってビレイする。
最後に、川本くんにリードの気持ちを分かってもらうために、「入門コースA」のルートで、上で彼をビレイしながらリードをさせることにした。進もうとしてもロープがなかなか出て来ないとどんなに辛いか?が分かってもらえたはずだ。
装備の片付けを終え、川本くんが「窓ヶ山の山頂へ行きたい」と言うので、まだ残っていたメンバーで西峰を往復して駐車場へ戻った。
準備不足で、この日一番勉強になったのは係の自分でした。今までは前進するための能力への意識が強かったのですが、守りの能力への意識を強める良い機会になりました。来年も(?)またやりましょう。